それは授業が終わってぼんやりとしている僕の意識を目覚めさせるのには十分だった。そしてその衝撃で僕は一瞬「くらっ」となった…少し開かれたカーテンの向こうで雪が舞っていた。
「今日の天気は曇りなんじゃなかったっけ」と僕が聞くと、友達は「関東の周りは降り始めてるみたいだからね。それにしても早い」と言って窓を開けた。
冷たく、澄み切った空気(昔よく行ったスキー場のと同じだった)が僕たちの赤くなった頬をかすめて通り抜けた。
「あぁ、この冷たさだ」と思った。
自分がヘンに興奮していることを意識しながら、その絶えることのない粒子を見ていた。
ふと懐かしい気持ちがおこってきたが、焦点は定まらず、そのまま立ち尽くしていた。
そして、今の自分の居場所を改めて認識した。「僕はあの日に生きているんじゃない」
日が射してきた。視界は良くなったはずなのに、僕の目は何かにとらわれていた。
「俺、ずっと屁こきたかったんだよね。我慢しすぎてこうケツがさ…」友達の言葉はそれ以上耳に入らなかった(殴りました)。