SAYURIを見てきました。物語自体はなんとなく物足りなく感じたけど、学べるものは確かにありました。
以下はいわゆるネタバレを含みます。

「芸者」と言うと勝手な想像でもっと昔の時代が舞台になると思っていたのですが、敗戦を選んだのはアメリカと対比させることでより“日本らしさ”を引き立てるためなんでしょうね、それで納得がいきました。

僕は芸者さんをよく知らないでいたのだけど、あれだけ熱心に芸に打ち込んでいながら“水揚げ”のようなことが行われていた(いる?)というのは、僕にとって衝撃でした。
至るところで華となり、しかも無形文化財と言えるような技を持っていながら、男たち(しかもあれほどの知識人が!)はそれを無視するかのように結局娼婦同然に扱おうとしている。
さゆりはそれに応じてはいるけども、全ては会長に自分の思いを告げるためなのですね。ああいうの女性の“強さ”は、場合が場合であるにせよ、尊敬します。

さゆりを特別な人物として見るのより、良くも悪くも日本人女性の象徴として見る方がいいような気がします。

語りは後のさゆりのようだけど、あれはよくわかりませんでした。話し手が老人というのが古典的スタイルだから?うーん、やっぱりよくわかりません。

風景美はあまり印象に残りませんでしたね…あとは…忘れちゃったな。

現代の女性に見て欲しいと思います。いや、男性にもですね。ぼーっと見ていても楽しめるような作品ではありません。考えつかないことでもないんだけど、気づかないことはたくさんあります。