どうしてこの季節の空の下は、もの寂しくなるのだろう?特に夜はそうだ。月が出ていて、指の先まで冷え切っている時なんて、この上なく切ない。
世間様も温かさが欲しくなるのもうなづける。ただ、彼らのそれと僕のそれが同じかと言うと…いや、違うわけはないな。無理やり特別視しようとしたって、無理は無理なんだ。
これは動物として当然、しかし、同時にどこか寂しい本能というやつなのかも知れない。あぁ、美しき本能!
僕はそんなものなど見たくはないんだ!世間様方、余りに安値で売り買いをなさるな!僕をこれ以上人間不信にさせないでくれ!

一体、どこに行けば出会えるのだろう?世に星の数ほどいるとは申せ、“本当の意味で居る”のはそんなに多くはない。授業、サークル、ゼミ、バイト先…こういったところに、“居る”のだ。あるいは、一人もいないということも十分ありえるけれど。
やっぱり僕にはあの子しかいないのだろうか?いや、でも僕は彼女が女であることを知っている。そこが、簡単に言えば、嫌いなところなのだ。その一点だけで、全ての魅力が消え失せると言っても過言ではない。確かに、返すべき礼はたくさんある。しかし、それとこれとは全然違う。
世の中で、僕が最も恐れているもの…それは、あらゆる種類の「嘘」だ。
果たして、信じることなしで、人を愛することができるものだろうか?その影が見え始めた今、僕にはどうも違うという気がして仕方が無い。

                                                                                                                • -

追記:今日は、雨、と。