色を失い、鐘も突き、会わせる顔も無いばかりか、会いに行くことさえできなくなってしまった。なんと情けない。
世の中にどうしてこんなに情けなくて涙が出るような事が起こるのだろう。人一倍プライドのある私には耐え切れない。
同情は有難いが、より惨めになるばかりだ。
私は過去に対して、反省する替わりに後悔しない事に決めているが、思わず言葉がこぼれる。
「この時間は何だったのだ?」
確かな答えは出せずにいる。

自分が信じて主張してきた事は尽く崩れ去る。しかしこれでいいのは知っている。とは言え、思っていたよりも到達地点は遥か先にあるようだし、この崩壊もあと幾度味わえばいいのかもわからない。

私が見えるとかわかるとか思っている事は、第三者的な観点からすると、全て本当に見えていないしわかっていない。私が必至になって主張した第三の観点は、所詮私を離れることはなかったのだ。私はそこを間違った。

秋も漸く暮れてくる。厳しい冬がやってくる。私が抱えた問題はそれまでには解決しなくてはならない。